1992年から新千歳空港~札幌・小樽間に運行されている快速「エアポート」。運行当初から充当されている721系電車は転換クロスシートを備え、更に2000年からは指定席を特急普通車並みにグレードアップした「Uシート」を導入「ワンランク上のくつろぎ」を提供している。「Uシート」は三両編成の先頭車クハ721形の半室を改装してスタート。その後「エアポート」の6両固定編成化に伴い「Uシート」は全室に拡大した新造車に置き替えられ、従来の「Uシート」車の多くは普通席に戻されている。その中で今回の1009号車は「エアポート」の予備的編成として「Uシート」のまま残された珍しい存在。気がつけば唯一の「Uシート」を備えたクハ721形になってしまった。また同車は2013~15年の休車期間を経て2016年から運用に復帰したユニークな経歴を持つ。稀に「エアポート」運用に入ることもあるが、主は普通列車での運用でその際は自由席として利用することができる乗り得車両だ。「ホームライナー」から始まった着席サービスの発展形ともいえる「Uシート」、それを他社に先駆けて定期列車に導入したのがJR北海道。元気のあった時代のサービスは今も色褪せてはいない。
現存する唯一の「Uシート」装備のクハ721形 (カメラ CANON T90、フィルム フジクローム RVP) |
半室時代の「Uシート」車、300円の指定席料金は多くの支持を集めた。 |
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