2018年7月3日火曜日

事業用車に残った三段窓。

20m、4扉車の旧型国電を代表するのが73系電車グループ。戦時、戦後に製造された63系、72系を含め、このグループで特徴的だったのが三段窓。63系では資材不足の苦肉の策として固定された中段に揃うように上段は下降、下段は上昇するよう設計されたが、戦後大惨事となった桜木町事故ではその中段窓が仇となりという多数の死傷者を出すこととなった「有難くない」過去がある。後に体質改善改造によって中段も上昇可能になったが、三段窓故に隙間風に悩まされたうえ、車内も薄暗いという曰く付きの車両だった。
 現存する三段窓を備えた車両はリニア・鉄道館に展示中のモハ63形のみ。事業用車クモヤ90形からの復元だが、こういう戦時戦後の身近な「下駄電」の保存には価値があると思うのは私だけだろうか。
クモハ90形全景(カメラ CANON NewF-1、フィルム フジクローム RDP)
         

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