2016年1月29日金曜日

過渡期を迎えた交直流電車

 鉄道の電化方式には、大きく分けて直流電化と交流電化がある。その両電化区間をまたがる列車には、交直両用で使用できる車両が必要となるが新幹線網の拡大によってその存在意義が変わろうとしている。 簡単に言えば、国鉄時代の主役だった交直流電車は、これからは「特殊車両」に変わりつつあるという事。 
 新幹線の開業は、在来線の役割を貨物輸送を除き長距離輸送から新幹線接続を前提とした都市間輸送への転換を促す結果となり、必ずしも車両はオールマイティな交直両用である必要がなくなってきた。 その車両更新に際しては、交流区間には交流専用電車が投入されており、九州の肥薩おれんじ鉄道では第三セクター転換時に電化区間にも関わらず車両は「ディーゼルカー」を導入するなど「脱交直流電車」の動きが進んでいる。 
 では、交直流電車が必要な路線はどういうところになるだろうか。 JR常磐線取手以北、水戸線、つくばエクスプレスでは茨城県石岡にある気象庁地磁気観測所への影響もあり交流区間となっていることから、ここを走る都心にアクセスする列車は交直両用車両が必要。 他は交直区間にかかる北陸、羽越線の「特急」、下関と門司を結ぶ山陽線、JR線を継承した第三セクター鉄道と限られてくることになる。 逆に言えば交直区間にかからなければ交直両用車両は必要なく、見方を変えるとローカル輸送には高価な交直車両を増備するより、高性能のディーゼルカーに置き換えることが経済的という議論もおきてくる。 新幹線網の充実によって、鉄道の有り方は変わっていく。 今後、交直流電車の役割はどう変わるのか、注目したいところだ。
新幹線開業前の上野駅地平ホームは、絶えず交直流電車が発着していた。

「つくばエクスプレス」も交直区間を有する路線。
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