2016年1月25日月曜日

特急エンブレムが消えた時代

 国鉄特急の象徴として、ほぼ全ての特急の前頭部に取り付けられていた「エンブレム」。これがある時期を境にJR東日本で外された時代があった。 それは1990年代、常磐線特急「スーパーひたち」登場に際して在来車485系のイメージチェンジを図るために、某車両メーカーのデザイン部門の提案を採用してからといわれている。 外観に関する主な提案内容は、カラーリングの変更のみならず、シンボルマークであるエンブレムと愛称表示機の撤去が効果的であるということだった。 後者は旅客案内面から見送られたがエンブレムの撤去はカラーリングの変更と共に行われ、常磐線「ひたち」以後、信越線「あさま」、中央線特急「あずさ」「かいじ」、磐越西線「ビバあいづ」と拡大されていった。 一方で、新潟、秋田地区のようにカラーリングの変更はなされたが、エンブレムの撤去はなされなかった例もあり、必ずしも統一された方針ではなかったようだ。
 その後、新車投入による転属に向けて塗装が国鉄色「赤、クリーム」に戻された車両の一部にエンブレムが復活した車両が登場するに至って、改めてオリジナルデザインの有り方を世に問うことができたことは、大胆なイメージチェンジも結果としては良かったのかもしれない。  

エンブレムが外された「ひたち」向け485系
(カメラ CANON NewF-1、フィルム フジクローム RVP)
オリジナルデザインの183系。
貫通式の車両では、観音開きの貫通扉に合わせてエンブレムも分れる工夫がなされていた。

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