2016年1月8日金曜日

魅惑の角度60°

 国鉄特急の象徴ともいえる「ボンネット形」車両は、鉄道博物館、京都鉄道博物館、九州鉄道記念館で保存されている「こだま」形の流れを現代に伝える車両。 そのスタイルもさることながらデザインに「お役所」国鉄らしからぬキメの細かい配慮がなされていることはあまり知られていないので紹介してみたい。 
 良く見ていただきたいのは、窓回りから赤い4本の帯にクロスする角度、「JNR」エンブレムの角度、運転台前部の窓ピラーの角度はすべて60°に揃えられていること。更には愛称板が装着されている少し前のめりになっている前頭部の角度も60°であるといわれている。 近年の車両には、ロゴマークや愛称を派手に車体へデコレーションする傾向にあるが、役所的な制約の中でカラーリングを含めたトータルデザインが昭和30年代になされていたことには敬意を表したい。 しっかりしたコンセプトは、いつの時代にも通用するということをこの「ボンネット形」は示している。
バランスの良さがボンネット車両の魅力。
(カメラ CANON  NewF-1、フィルム フジクローム RDP)

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