2016年11月20日日曜日

憧れのリゾート列車

 国鉄末期の北海道に登場した「アルファ・コンチネンタル・エクスプレス」に続いて誕生したリゾート車両が「フラノエクスプレス」。特急用80系気動車を改造した車両だが、車体は一新されハイデッカー仕様の客室は当時の特急グリーン車を凌ぐクオリティだった。更に、この車両を有名にした企画としては、ANAとタイアップした「ANAビックスニーカー」トレインとなったこと。当時、内地からの観光客が、憧れの観光地を「非日常的な、少しリッチな列車」で旅することはお金に換算することはできない「思い出」となったようだ。
 北海道観光の優位性をポーカーに例えてみると東日本エリアの「フルハウス」より北海道の「ワンペア」が勝る程、北海道には「憧れの大地」という潜在的なブランドがある。その中で観光リゾート列車に求められるのは、奇をてらったコンセプトやモデルルームのような居住設備のクルーズトレインではなく、「少しリッチな中流の旅」が落としどころになるはずなのが、実際は「日常利用しているような電車」が大手を振っている状態となっているのは、やり繰り上手な北海道にしては歯がゆい感じがある。
 厳しい経営環境下のJR北海道だが、今後は強い信念のもと新しい道筋を示し魅力的な観光地へ誘う「北海道らしい驚きのある」リゾート列車の誕生を期待したいもの。
リピーターになる切っ掛けは「思い出」に起因する。その一端が鉄道であっても一向におかしくはないのだから。
余市を行く「フラノエクスプレス」、改造車ながら新時代の車両を予感させたものだ。
(カメラ CANON NewF-1、フィルム フジクローム RFP)

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