2016年11月11日金曜日

穴場だった冬季の「まりも」

 札幌と釧路を結んでいた特急「まりも」は、定期列車として2007年に廃止されるまで北海道内発着の唯一の夜行特急列車だった。 客車急行時代から釧路行夜行列車は寝台車主体で運行されていた経緯もあり、特急に格上げの際もディーゼル車に寝台客車を連結する北海道独特のスタイルで運行されていた。廃止前の特急「まりも」でユニークだったのは冬季期間になる11月~5月の間では寝台料金が3000円だったこと。通常時が6300円なので約半額のサービス価格だったが、道内列車ということもあったためか内地での認知度は低かったようだ。私は2006年釧網線での「冬の湿原号」撮影の帰路、「まりも」で移動すれば新千歳空港から朝一番の東京便に難なく間に合ったことから「3000円寝台」を利用してみたが、「まりも慣れ」した利用客が多かったことが印象的だった。寝台車での移動は鉄道ならではの利点だったが、いまや夜行は「安く移動できる」バスの時代になってしまった。バブル崩壊後「失われた20年」での旅の変化には驚くばかりだ。 
釧路駅で出発前の「まりも」をスナップ。 札幌へは7時間の旅だった。
(カメラ CANON T90、フィルム フジクローム RVP100)

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