JRの車両表記「ロ」はグリーン車、「ハ」は普通車を示しているのは有名だが、1960年までは「イ」という表記が存在していた。それはかつて三等級制だった頃の1等車で、ロ、ハは2等、3等を示していた。 車体には帯による等級分けがなされ、1等は白、2等の緑、3等は赤と区別されており、1等車は重厚な内装と合わせ他のクラスとは次元の違う車両でもあった。
二等級制に改められてから久しく消えていた「イ」だが、国鉄民営化直前に大阪の交通科学館から復帰したJR西日本マイテ49形で復活、そして近年、JR九州のクルーズ列車「ななつ星」では「イ」が付与され、更にはJR西日本「トワイライトエクスプレス瑞風」でも「イ」が付けられている。 グリーン車を超えるグレードという意図からの「イ」の復活だが、格の違いという面では往年の1等車とは違うようだ。 当時は、冷房が標準装備されていた1等車に対し、3等車では扇風機装備が「特別」な仕様だった時代の話。 庶民には縁のない車両だったのだ。
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鉄道博物館に保存されている一等車、マイテ39。 |
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重厚な内装は桃山式、現在の技術では、往年の装飾は再現できなかったという。 |
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