2016年7月22日金曜日

斬新さと短命さが共存した「Σ」電車。

 1979年、北総開発鉄道(現 北総鉄道)開業に伴って新製された7000系電車は、新たな「ニュータウン」に相応しい「斬新なコンセプト」の車両だった。この車両を語るに欠かせないエピソードはΣ状の前面形状で、運転席からの下方視界確保に優れ「踏切の無い」自線内より暫定乗り入れ先だった新京成線内での踏切事故防止に効果があったといわれている。その他「日本初」の試みとして、ステンレス車体に難燃性のカラーフィルムを貼ったこと、吊り手を廃し車内には握り棒が配された事だろう。
 特に吊り手のない車内は、完全空調により固定化され熱線吸収ガラスの採用でカーテンが消えた窓とともに「新しい時代の電車」を感じさせたが、利用客からはその斬新さに戸惑いがあったのも事実だった。その後、全車に吊り手を設置、増結車では開閉窓への変更など「使用状況に合わせた」改造がなされていったのは仕方の無いことだった。このユニークな車両が全車廃車になったのは2007年。製造後30年にも満たない車生になった。現在、7001号車が西白井駅構内にビニールシートに覆われて残されているが一般公開はなされていない。安住の地はどこになるのだろうか。
特徴的な前面も正面から見ると平凡。だがステンレス鋼の多面的加工は難儀だったという。
(カメラ CANON NewF-1、フィルム フジクローム RVP)

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