2016年6月25日土曜日

存在が秘匿された車両

 現金輸送車マニ30形客車は、かつて日本銀行が所有していた私有車両。日銀本店から各支店へ現金を輸送すると言う用途ゆえ、その存在は趣味誌でも取り上げることは自粛されていたことから、姿はみえども実態はわからない謎の車両だった。 形態的には1948年製造の旧型客車タイプ、後継の1978年に製造された50系客車タイプに分かれる。窓が殆どない車体は貫通路がない妻面共々異様でもあり、車内のレイアウトは外観からは判別できなかったが、その謎の車両の全貌が判明したのは2003年、鉄道による現金輸送が終了の後、2004年に小樽市総合博物館にラストナンバーの2012号車が保存されてから。
 その車内は荷物室の他、長距離に及ぶ現金輸送「任務」に備えた開放式A寝台同様の寝台、台所、食事用テーブルが備えられ、側窓は防弾ガラスを装備するなど緊張感が伴う物々しい仕様だった。 
隅田川貨物駅に停車中のマニ30、旧札運搬には相当な緊張感が伴ったと言う。
(フィルム フジカラー リアラ)
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