2015年12月3日木曜日

三分の一のスペース 

 「急行」が優等列車の中心だった国鉄時代に製造された珍車の一つに売店車がある。1966年、中央東線の急行「アルプス」増発に際し、ビュッフェ車による供食サービスの有り方の見直しと、輸送力確保の試作的な意味も含め2両製造された。 ビュッフェ車と売店車のレイアウトの特徴はメインの設備で車体の2/3を構成していること。前者ではビュッフェ、後者では座席になり、残る1/3のスペースにビュッフェ車は座席、売店車は売店が設置されている。 
 この正反対のレイアウトの車両は、中央東線急行へ共通に運用されたがサービス面で少なからず問題が生じた事は否めず、後に売店車は上越線へ転出する結果となった。この時期、売店車は0系新幹線にも導入されたが定着には至らなかった。今は車内売店どころか車内販売も消えていく時代となり、飲食物持参が日常になっている旅の変化には驚くばかりだ。
売店車サハ164形。中央線から上越、東海道線に転じ、晩年は中央線に戻ってきた。

特徴ある売店部。右側の扉は業務用

ビュッフェ車サハシ165型。1963年製造で電子レンジを標準装備した。
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