世界初の寝台電車、国鉄583系は1967年の登場以来ファンからは人気が高い電車。クリーム色と濃紺の車体カラーは新幹線接続を意識したともいわれ、昼夜走る運用を運命付けられた鉄道車両はこの系列が最初で最後のまさに高度経済成長下ならではの車両だった。だが、経済成長が鈍ったとき、この電車の役割に陰りが出たのは皮肉なことだった。
大きな転換期は1982年、1984年のダイヤ改正で、583系使用の関西発夜行九州特急の減便と寝台列車の客車化、そして昼行運用廃止にともないこの系列に多くの余剰車が発生した。当時の国鉄は財政緊迫の中、車両の新製は抑制されていたが近郊形車両の需要は高く、余剰車両の再活用を含めた施策が講じられる。その一つが583系電車の近郊形への改造で、「交流区間を走れる」交直流電車のメリットを活かし九州、仙台地区へ「交流電車715系」として、金沢地区へは「交直流電車419系」として再利用される事になる。車体は改造コスト抑制と使用期間は今後10年程度の見込みだっため、必要最低限の改装に留められた。当時、これらの改造車は「ひょうきん電車」とも皮肉られたが客車、気動車の普通列車を電車化するメリットは大きく、これ以後の地方都市圏は「電車」へシフトする事になった。 九州、仙台地区の715系は、ほぼ想定どおり1990年代に後継車と交代したが、金沢地区の419系が定期運用を終了したのは2011年。寝台電車時代より長寿を保ったことは特筆されることでもあった。 波乱万丈の車生を辿った583系だがJR東日本に現役で残る6両の他、九州鉄道記念館に車体は715系改造後のままだが塗装、エンブレムが復元されたクハネ581形が、来年開設の京都鉄道博物館にはクハネ581形のラストナンバーが保存されることになり、後世にその姿を残す事となったことは喜ばしいことでもある。
私、尾澤尋史が撮影した「画像創作人『鉄道写真』」を徒然なるままに撮影地・撮影ポイントのエピソードや使用したカメラの情報等も織り交ぜながら、こぴっとブログにアップしています。 ↓ 閲覧件数が多いブログです。(PCで御覧下さい。)
さてどうなるか。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
ブログ アーカイブ
-
▼
2015
(365)
-
▼
12月
(31)
- 近郊形電車になった寝台電車
- 動感を求める
- 驚きのISO16000。
- 蒸気機関車と日章旗
- 形式消滅した183系電車
- ISO6400の世界
- 黄色いサンタクロース
- 囲炉裏がもてなす湯野上温泉駅
- 12月23日への想い
- イベント華やかなりし頃
- 憧れの。
- なぜ撮っておかないのでしょう。
- 帰ってきた多重露光
- 冬のスペシャリスト
- ひかりが走る
- 雪晴れの朝
- 郷愁を誘うサボ
- 黄昏の上越線
- 手を抜くと・・・。
- AIZUマウントエクスプレス
- 困ったときは第一鉄橋
- 会津盆地を行くD51。
- 夜汽車のイメージ
- 雨に濡れても
- 閉ざされた撮影ポイント
- 交換待ち
- 二年ぶりのクリスマストレイン。
- 雪の洗礼
- 三分の一のスペース
- 鉄道ファン的な写真
- ありのまま
-
▼
12月
(31)
0 件のコメント:
コメントを投稿