元々三段の「蚕棚」式が標準だった国鉄のB寝台。それが「二段」に進化したのは昭和49年製造の24系25形からだが、その元祖は昭和42年に登場した昼夜兼用寝台電車583系で電動車モハネ580・582形のパンタグラフ設置部下は屋根が上げられないため二段になっていた。構造上の産物であるこの寝台スペースはヘッドクリアランスが十分確保されたB寝台として知られるようになり、ベテランユーザーともなると寝台券購入の際「パンタ下」寝台番号を指定したという逸話がある位「穴場スポット」だった。寝るだけしか居場所のなかった583系寝台でもこのようなトリビアがある車両は趣味的に惹かれるものだ。
ここが「パンタ下」寝台。寝台料金は上、中段扱いだった。 |
明り窓が一つが二段寝台の区画。 |