二種類の電源装置を備えるという意欲的なコンセプトの車両だったが、その重量から入線エリアが限定された事がデメリットとなり、後に電動発電機とパンタグラフは撤去されユニークなパンタグラフ客車は短命に終わった。だが民営化後の1989年に思いがけない形で復活することになる。
背景にはJR西日本「トワイライト エクスプレス」用に電源車を捻出する必要があったためで、JR西日本所属の「あさかぜ」「瀬戸」用客車から電源車を転用、その代替として電源供給用静止インバータとパンタグラフを備えた「電源車仕様」ロビーカーを連結したことによるものだ。電源設備を電動発電機からインバータに換えたとはいえ、30年を経てのパンタグラフ客車復活には驚きと共に技術の進歩を実感するには十分だった。 これからの車両は、どのような「意欲作」が生まれてくるのだろうか。アイデアはすぐ傍にある。そう思うと楽しみだ。
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