2016年3月11日金曜日

45分前のスナップ

 2011年3月11日、14時過ぎに何気なく撮ったスナップ。これがこの日撮影した最後の写真になった。 毎年、繰り返される津波の映像は、否応なしに震災の記憶を思い起こさせる。 今でも違和感があるのは、なぜ、あの日避難中に動画撮影できる「余裕」があったのだろうかということ。 自身を振り返ってみると、11,12日の異様な光景をカメラで撮るという選択はまったくなかった。 
 東日本大震災から5年。 安全神話を含む多くの価値観が変わった。 だが深く刻まれた「あの日」の記憶は、時には人を苦しめることもある。 記憶を風化させないという名目の元、「フラッシュバック」させるような「記念日」にはなって欲しくはない。 それは地下鉄サリン事件のあった3月20日にもいえる事だ。 
45分後、大地震で空気が一変した経験は忘れがたい。
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