2022年1月17日月曜日

時代の忘れ物

 国鉄103系には「1次改良車」と区分される製造ロットがある。昭和47(1972)年に登場した148両がそれに該当し、その多くは東海道・山陽緩行線用として投入されたので関西圏ではおなじみの車両だ。外観的には前照灯がシールドビーム2灯、側窓がユニット窓に変化、メカ的には過去表面化した各種のトラブルに対応した改良がなされている。ところが「1次改良車」の中には事故廃車補充と言う名目で首都圏へ配置された車両がある。今回のクハ103-188がその1両で新製配置後常磐快速編成の付属編成に埋没していたので知る人ぞ知る存在だったが、注目されたのは昭和59(1984)年、103系1000番台の常磐快速線転用に際し不足する先頭車の代替として併結運転改造を受けたことで「1次改良車」の存在が周知されることとなった。民営化後は冷房改造され習志野(中央総武緩行線)京葉(京葉線)へと転属、平成13(2001)年に廃車になったが、京葉線では東海道・山陽緩行線用と同色のスカイブルーを纏ったのは偶然とはいえ「同期」との縁を感じるのは私だけだろうか。この車は全国規模の転属がなされた国鉄時代の忘れ物だったかもしれない。 
103系1000番台との併結に際して車両の向きを転換、ATSもB,Sが設置された。

習志野時代に前面強化、冷房改造を受けている。



関西圏の同期と同じスカイブルーで終焉を迎えた。





鉄道撮影は鉄道会社、関係者等との信頼関係で成り立つもの。ファン同士よき人間関係を。感謝の気持ちは挨拶から。


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